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慶良間でアオウミガメと泳いだ12秒|初心者ダイバーの体験談

慶良間でアオウミガメと泳ぐダイバー

海は、また戻りたいと思えた場所でした


慶良間の黒島北というポイントで潜ったときのことです。

水の色は、晴れた雲ひとつない空をそのまま映したような青。
透視度は30メートルほどと、インストラクターが教えてくれました。

そんな青い海の中で、私はインストラクターについていくのがやっとで、
周りを見る余裕はほとんどありませんでした。

変わった魚が現れるたびに、
身振り手振りで「ここにいるよ」と教えてくれる。
そんな状態でした。

だから、カメが近くにいることにも、まったく気づいていませんでした。


インストラクターに呼ばれて振り向いた瞬間、
目の前をアオウミガメが横切ろうとしていました。

驚きと嬉しさで、とっさに方向を変え、
私はカメの隣を泳ぎました。

カメの甲羅は立体的で、
ごつごつとした模様がとても美しく、かっこよく見えました。

unikurage

なんてきれいなの…

私の存在にもまったく動じることなく、
ゆったりと、優雅に泳いでいました。

水面からは光がきらきらと差し込み、
その中をカメと一緒に進んでいると、
時間が止まったような感覚になりました。

すぐ隣を泳いでいるのに、
どこか夢の中の景色のようで、
なんだか信じられない気持ちでした。

胸がいっぱいで、嬉しいのに少し緊張していて、
心臓がドキドキしていました。

息をしたら、この時間が終わってしまいそうで、
その瞬間を壊さないように、
ただ静かに泳いでいたのを覚えています。

まるで、別の世界にいるような、
不思議で静かな時間でした。


そのときは、ほんの数秒だったと思っていました。

でもあとで、インストラクターが撮影してくれていた動画を見返すと、
実は12秒ほど、一緒に泳いでいました。

今でもその映像を何度も見返します。

見るたびに、あの青い海と、
胸がときめいた感覚がそのままよみがえってきます。


あの時間は、私にとってとても幸せな記憶です。

誰かに隠しているわけではありませんが、
自分の中にそっとしまっておきたい、
大切な宝物のような時間になりました。


ダイビングを終えて海から上がったあと、
私はしばらくぼーっとしていました。

本当に、さっきまでウミガメと一緒に泳いでいたのだろうか。

夢の中の出来事のようで、
まだ実感が追いつきません。

でも、腕につけたダイコンを見ると、
確かに海に潜っていた時間が刻まれていました。

あの12秒は、
私の中でずっと消えない時間になりました。


私にとって海は、
楽しかった場所というだけではなく、
「もう一度戻りたいと思える場所」になりました。

海の中にいると、現実の世界で抱えていることを、
少しだけ忘れることができます。

そこには、一生懸命生きている自然だけがあって、
私はその中で、とても小さな存在になります。

限られた時間しかいられないからこそ、
その時間がいっそう愛しく感じられます。


私が海を思い出すとき、浮かぶのは
光がゆらゆらと揺れる静かな青い世界です。

その中で聞こえるのは、自分の呼吸の音だけ。

魚たちは、私のことなど気にすることなく、
それぞれの時間を泳いでいます。

慶良間を泳ぐアオウミガメ

そこには穏やかな静けさがあって、
私はただ、その中に漂っている存在になります。


私は、海の景色を見たいというよりも、
もう一度、海の中に戻ってきたと感じたいのかもしれません。

もし、また海に潜れる日が来たら、
私はきっと、水の中で深呼吸をして、

自分に「おかえり」と言ってあげたいと思います。


この記事は、沖縄でのダイビング講習体験の中で出会った出来事です。
講習の様子はこちらの記事で詳しく書いています。

第4話 前編|呼吸できた日(沖縄ダイビング講習体験)

また、50代でダイビングに挑戦した記録はこちらにまとめています。

50歳からダイビング挑戦記|記事一覧はこちら

ダイビングは楽しいだけではなく、
初心者の頃は怖いと感じる瞬間もありました。

そのときの体験はこちらでまとめています。

▶ ダイビングが怖かった瞬間|初心者が感じた4つの不安


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この記事を書いた人

はじめまして。
「ハコニワ」を運営している「うにくらげ」です。


50歳をきっかけに「やりたかったことをやってみよう」と思い、
ダイビングに挑戦しました。

このブログでは、

・ダイビング体験
・大人から始める趣味
・日々の小さな楽しみ

を、ゆっくり綴っています。

同じように
「今からでも遅くないかな」
と思っている方の背中を、そっと押せたら嬉しいです。

海と静かな時間が好きです。

よろしくお願いします。

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