この記事は「50歳からダイビングに挑戦した体験シリーズ」第4話・中編です。
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沖縄でのダイビングライセンス(OWD)講習1日目。
呼吸はできたのに、次に立ちはだかったのは“耳抜き”でした。
耳抜きできる女、のはずだった
少なくとも、昨日までは。
呼吸ができた瞬間、私は完全に調子に乗っていた。
(いけるかも!)
しかし海は甘くない。
次に待っていたのは、耳だった。
少し潜る。
——痛い。
「あれ?こんなはずでは。」
私はずっと、耳抜きが“できる側の人間”だと思っていた。
飛行機も平気。
新幹線のトンネルも平気。
なのに。
水の中では、まったく通用しない。
痛い。
どうやるんだっけ。
今までどうしてた?
なめてました、耳抜き。
混乱していると、Hさんがスッと近づいてくれて、少し浮上。
「大丈夫ですよ。早めにやりましょうね」
やさしい。
でも、できない。
潜る
痛い
上がる
耳抜き
潜る
痛い
無限ループにはまった。
最大4.4m。22分。
数字だけ見ると浅くて短いのに、
体感はまるで「修行」。
水の中で、ひたすら自分と向き合う時間だった。
少しできると、世界が変わる
休憩中、耳の周りをマッサージする方法を教えてくれたり、コツを色々と教えてくれる。
2回目。
呼吸は、もう怖くない。
体勢を整える方法も教えてもらった。
「不安がひとつ減る」って、こんなに心が軽くなるんだ。
でも耳はまだ課題が残る。
でもさっきよりはマシ(たぶん)。
講習の途中で、ふと海の底を見ると、青く光る不思議な貝。
(きれい・・・)
あ、海を見てる。私。
さっきまで
「耳!呼吸!姿勢!」で頭がいっぱいだったのに。
ほんの数秒、海を楽しめた。
それだけで、今日は合格にしてもいい気がした。
ログ付けという大人の世界
ダイビング後は機材を洗って、シャワーへ。
100円で出る温水が、とてつもなく尊く感じる。
そして沖縄そばを食べながらログ付け。
ログブックには、潜水時間、最大水深、平均水深、空気残量…エトセトラエトセトラ。
横文字と数字のオンパレード。
eラーニングで見たはずなのに、実物を見ると別世界。
「なるほど、こういうことか」
やっと点と点が線になる。
大人になってからの“理解する瞬間”って、なんだかちょっと嬉しい。
そして、かっこ悪い大人
お会計のとき。
私は千円札1枚と小銭少々しか持ち合わせていなかった。
「ロッカーがないから貴重品は少なめで」と言われたのを、真に受けすぎた。
ごちそうどころか、自分の分を支払うので精一杯。
駐車場代まで払わせてしまった。
——50歳、反省。
海より深く、沈む。
いつかもう少し上手になったら、ちゃんとお礼させてください。
今は、ただの修行僧です。
宿に戻ると、電池切れ
宿に戻ったのは14時頃。
シャワーを浴びて、水着を洗って、スーパーでおやつの揚げかまぼことゼリーを買った。
さあこれから復習しなきゃ。
ハンドシグナルも覚え直さなきゃ。
…と思っていたのに。
気がづいたら寝ていた。
昨日の寝不足と極度の緊張がたたったのだろう。
気が付くと深夜。
「え、今何時?」という絶望。
寝ぼけながら明日の準備。
できなかったことは山ほどある。
でも、呼吸はできた。
耳も、ちょっとだけ前進。(たぶん)
今日の私は、
昨日の私よりほんの少しダイバー寄り。(たぶん)
それで、まあ、良しとする。
つづく:ボート編。(朝から事件多発)
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